相振り飛車 序盤で横歩を掠め取る筋
初手から
▲7六歩 △3四歩 ▲6六歩 △3二飛 ▲7七角 △3五歩 ▲8八飛 (下図)
先手後手や相手が飛車を振る場所によって細かい違いはありますが、こういう局面に遭遇するたび、「飛車先の歩を交換した後に6六の歩掠め取れるんじゃ…」と思ってしまうんですよね。
つまり△3六歩 ▲同歩 △同飛 ▲3七歩 △6六飛(参考図1)という手です。
【上図 △6六飛時点でのソフト評価値 こちら+228】
上図から▲同角 △同角と進むのであれば飛車取りと5七地点に馬を作る狙いが残ります。
大乱戦にはなりそうですが、「序盤は飛車よりも角の方が価値が高い」という格言もあるように、渡した飛車よりも手に入れた角の方が使い道が多そう。
何より歩得できていて悪いわけは無いと思います。
どうですか?皆さんなら…
このような乱戦に自ら足を突っ込むかどうかは、けっこう人によって違いがありそうですよね。
序盤はじっくり駒組みを進めたいと仕掛けを見送る人もいそうではあります。
それを踏まえて…
似たような局面を実戦から。
ここでも私は「6六の歩取れるんだよなぁ…」と悩んでましたね。
もしも相手が、先に飛車を振るのではなく、▲7八銀~▲6七銀のような形で6六の地点を受けてから飛車を振ってくれさえすれば、そんな筋は始めからなかったんですが、今は仕掛けようと思えば仕掛けられます。
やれるもんならやってみろと誘導されてるようにも見えるし、単に仕掛けに気付いていない隙のようにも見える…
いつもこのような局面で30秒くらい悩んでいると思います。
だから終盤で時間足りなくなるんですが
△3六歩 ▲同歩 △同飛 ▲3七歩打 △6六飛 (下図)
【上図 △6六飛時点でのソフト評価値 こちら+172】
実戦はまぁやりました。やりましたよ。
上図から▲同角 △同角と進めば、9九の地点にいる香車取りの先手です。▲8八銀(または▲7七桂)辺りでそれを受けてくれば、空間の開いている6七の地点に角を打ちこめそう。
それくらいまでは読めたので、こちらが先手先手で攻めていけると判断して乱戦にしていきました。
▲6八銀 (下図)
実戦では相手、▲同角 △同角からの大乱戦は自重してきました。
たしかここからは、私の飛車が3四地点の石田流の定位置にグルグルと戻り、穏やかな持久戦に進んでいったような記憶があります。
まあ一歩得ということで私も満足、一件落ちゃk
【上図 △7六飛時点でのソフト評価値 こちら+292】
はい…
これは見えてませんでした…
局後、ソフト先生に指摘されましたね。横の歩をもう一歩掻っ攫えたぞと。
確かに▲同飛だと相手の角が抜けるんですよ。大乱戦にこちらから誘導したのであれば、このように大暴れする手はありかも知れないです。
いや、これはむしろ実戦で指せたら絶対気持ち良いやつです。指したかった…
相振り飛車で石田流を指していると、序盤で横歩を掠め取れる展開って私の棋力帯だとボチボチ遭遇します(しませんかね…?)
今回のような筋を忘れたくないなぁということでここに記録しておきます。
全国の石田流使いの皆さんもこれ決めれたら絶対モテますよ。覚えておきましょう。
※使用ソフト Suisho5/YaneuraOu-kai NNUE 6.50 64AVX2 TOURNAMENT
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